お知らせ

『龍谷哲学論集』第36号が刊行されました

2022年1月31日に『龍谷哲学論集』第36号が刊行されました。
目次は以下の通りです。

論文
山口雅広「性向あるいは徳としてのカリタスにかんする若干の考察(上)――トマス・アクィナス『命題集注解』の場合――」一-一五
松田克進「ウカシェヴィッチによる決定論批判」1-28
平野和歌子「起源からの流出/誕生、ペルソナと固有性――ボナヴェントゥラの「生むゆえに、御父である」に関して――」29-59

研究ノート
藤本忠「「超選択則」の覚え書(2)――発展編――」61-76

このうち、「ポーランド学派の代表的な哲学者・論理学者のひとりウカシェヴィッチ(Jan Łukasiewicz: 1878-1956)による決定論批判の論点を整理し評価する」松田論文の目次を以下に挙げておきます。

 (1)三値論理
 (2)三値論理をベースにした様相論理
 (3)命題論理の単純明快な公理系
第1節 議論の大筋
第2節 排中律にもとづく議論
第3節 因果律にもとづく議論
第4節 因果律にもとづく議論に対する批判
第5節 排中律にもとづく議論に対する批判
第6節 論理学史的考察
結び――二つの問題――
 (1)内在的問題――因果律の弱さ――
 (2)外在的問題――非両立説の論拠の不在―― 

『龍谷哲学論集』第36号表紙

以上、お知らせ申し上げます。

『龍谷哲学』第48号が刊行されました

2022年3月10日に『龍谷哲学』第48号が刊行されました。
目次(一部抜粋)は以下の通りです。

特集1 翻訳「教科書の中の物語――R.C.ルウォンティン著『DNAという教義』より――」
特集2 読書案内
海外雑誌論文紹介 3本
2021年度優秀レポート 4本
2020年度優秀卒業論文 4本

特集1の英語文献からの翻訳および海外雑誌論文紹介は、大学院生が、
優秀レポートと優秀卒業論文は、学部生が、
そして特集2の読書案内は、教員が、それぞれ執筆・担当したものになります。

以上、お知らせ申し上げます。

『龍谷哲学』第48号表紙

『龍谷哲学』第48号目次

『龍谷哲学』第48号編集後記

『龍谷大学大学院文学研究科紀要』第43集に「修士論文に基づく研究論文」が掲載されました

2021年12月17日に印刷・発行された『龍谷大学大学院文学研究科紀要』第43集に、梶野なつみさんの2020年度の修士論文に基づく研究論文「ヤスパース哲学における実存的自由と贈与経験」が掲載されました。
「ヤスパース実存哲学において、人間が超越者と関係しつつ同時に主体的存在であるところの実存でありうるのは一体どのような理路によるの」かを、「超越者からの自由の「贈与経験」に焦点を当て」て理解しようとする論考です。
ぜひご覧ください。

『龍谷大学大学院文学研究科紀要』第43集表紙

『龍谷大学大学院文学研究科紀要』第43集目次

修士論文に基づく研究論文1頁目

2021年度第2回『龍谷哲学』編集委員会が開催されました

2021年12月6日に2021年度2回目となる『龍谷哲学』編集委員会が開催されました。
コロナ禍ではありますが、感染拡大予防ガイドラインを遵守しつつ、「優秀レポート」の校正作業などが進められました。
新しい『龍谷哲学』第48号は、2022年3月に刊行予定です。
刊行をどうぞお楽しみに!

編集風景_1

編集風景_2

コモンズカフェ(田中龍山氏)の紹介

本会会員の田中龍山氏(龍谷大学文学部教授)による、
テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を使った講演(龍谷大学文学部コモンズカフェ)が、以下の通り行われます。

日 時:2021年9月28日(火)12:35~13:05
テーマ:疑うことで幸せになれるの? ――古代ギリシアの懐疑主義——  
内 容(講師より):私は古代ギリシア哲学、とくに懐疑主義を中心に研究をしています。その立場は、哲学(知を愛し求めること)によって幸福になる、というギリシアの伝統の中で、疑うことによってこそ幸福になれるのではないか、と問いかけるのです。彼らの言う「疑う」とは、「同意をしない」「信じない」ということです。
きっと、この立場自体がたいへん疑わしく思われることでしょう。なにより、信仰によって幸福になるという宗教的な立場からは、許しがたい主張のように見えるかもしれません。というのも、信仰とは、信仰対象を信じ、その言葉に同意することで成立するからです。
ところが、古代懐疑主義の立場は、じつは仏教的な立場とは相通じるところもあるのです。そのことを、彼らの言う「懐疑」「幸福」の中身を少し掘り下げながら、お話ができればと考えています。

申し込み・参加方法:どなたでもご参加いただけます。
9月27日(月)17時までに、以下のフォームからお申し込みください。
https://forms.gle/dLq8mxmGZRqkkYaA7

お申し込みいただいた上で、9月28日(火)12時35分になりましたら、以下よりご参加ください。
https://us02web.zoom.us/j/86981367643?pwd=RU5ZTUFmQlYyaTFKcGprWXFjQ1V3dz09

失礼いたします。

【新刊情報】西山雄二編著(2021)『いま言葉で息をするために――ウイルス時代の人文知』、勁草書房。

2021年8月25日に、勁草書房から、西山雄二編著『いま言葉で息をするために――ウイルス時代の人文知』が、出版されました。

同書には、現代を代表する12人の人文学者たちによる、コロナ時代の証言と提言が収められています。
そのうち、アジア社会を中心にフィールドワークを行なっている人類学者フレデリック・ケックによる論考の翻訳を、龍谷大学文学部の小林徹准教授(龍谷哲学会会員)が担当し、訳者解題を付しました。

フレデリック・ケック「アジアの虎たちと中国の龍──パンデミックに対する前哨地間の競合と協働(SARSからCOVID-19へ)」

関心をおもちの方は、ぜひご覧になってください。

目次と内容説明は、出版社のホームページでご確認いただけます。

以上です。

哲学科哲学専攻の紹介(「龍谷大学文学部パンフレット2022」他)

Ⅰ.「龍谷大学文学部パンフレット2022」が出来上がりました。
そのデジタル・パンフレットの冒頭をご覧いただけます。
またその全体は、龍谷大学受験生向けアプリru navi(アールユーナビ)からダウンロードしてご覧いただけます。

Ⅱ.哲学科哲学専攻の学生の学びを体験できるムービーを集めてみました。
ミュージカルから学んだ、言葉のチカラ。(2017.05.25)
哲学と能楽から、先人たちの知恵を学ぶ。(2018.05.18)
伊藤ゼミ授業風景(2017.05.25)※伊藤教授は2020年3月に定年退職いたしました。

哲学専攻での初年次の学びを紹介するムービーや、哲学専攻の紹介サイトとあわせて、是非ご覧ください。

Ⅲ.龍谷大学の入試情報全般(オープン・キャンパスを含む)を紹介するサイトや、入試情報(入試ガイド・入試要項など)を紹介するサイトも、ご参照ください。

【新刊情報】上智大学中世思想研究所編(2021)『「原罪論」の形成と展開――キリスト教思想における人間観――』、知泉書館。

2021年7月20日に、知泉書館から、上智大学中世思想研究所編『「原罪論」の形成と展開――キリスト教思想における人間観――』が出版されました。

龍谷大学文学部の山口雅広准教授(龍谷哲学会会員)が、第8章「トマス・アクィナスの原罪論――彼のキリスト教的人間観の一面」を執筆しています。
同章では、トマスの原罪論が概観されるほか、原罪論を大前提の一つに据える彼の人間観には、キリスト教的な人間理解ばかりか、現代においても通用するような人間に対する根本洞察も含まれることが指摘されています。

同書には、この他、テルトゥリアヌス、オリゲネス、アウグスティヌス、ペラギウス派、アンセルムス、ビンゲンのヒルデガルト、オッカムのウィリアム、十字架のヨハネの原罪論に関する論考が収められています。
キリスト教の原罪論や、根源悪、あるいは人間がもつ弱さといったものに関心をおもちの方は、ぜひご覧になってください。

目次と内容説明は、出版社のホームページでご確認いただけます。

以上です。

【新刊情報】ピエール=フランソワ・モロー(2021)『スピノザ入門[改訂新版]』、松田克進、樋口善郎訳、白水社。

松田克進先生(本学文学部教授・龍谷哲学会委員)が訳者の一人となって翻訳された、ピエール=フランソワ・モロー『スピノザ入門[改訂新版]』が、2021年5月に白水社から刊行されました。以下は、出版社からの紹介です。(他に、【特別寄稿】スピノザは二度、日本を語る。 ピエール=フランソワ・モローさん(哲学史家)という記事もあります)。

〈内容説明〉
スピノザ評伝の決定版!
伝説ぬきのスピノザ像を浮き彫りにした評伝

十七世紀の哲学者がいかに生き、論じ、受容されたのか。改訂新版ではスピノザが『神学政治論』で日本について言及した箇所も考察する。

「スピノザの生涯と著作は、これまで、多くの伝説によって物語られ、多くの偏った解釈に捻じ曲げられ、多くの誤解に晒されてきた」(第一章より)。
十七世紀の哲学者スピノザが、いかに生き、何を書き、論じ、どうのように受けとめられてきたのか。本書は、当時の時代状況やオランダの特異性を紹介するとともに、蔵書目録およびテクストにみられる引用からスピノザの語学力や教養の限界までも探る。
改訂新版では、著者による日本語版のためのあとがき「暴露するものとしての日本」を掲載。スピノザが『神学・政治論』のなかで日本について言及したテクストを考察する。スピノザが生きた時代の日本は、スピノザにとってどのような役割を果たしたのか。
〈伝説抜きのスピノザ像を描く〉評伝の決定版。

[著者略歴]
ピエール=フランソワ・モロー Pierre-François Moreau
1948年生まれ。高等師範学校を卒業。1992年までソルボンヌ大学で教鞭を執り、現在、リヨン高等師範学校・文学人文科学部門名誉教授。現代フランスを代表する哲学史家の一人。PUFから刊行中の新スピノザ全集Spinoza-Œuvresの責任編集者で、その第四巻『エチカ』の仏訳を担当。

[訳者略歴]
松田克進(まつだ かつのり)
1991 年京都大学大学院博士後期課程単位取得退学、哲学専攻。龍谷大学文学部教授。主要著訳書に、『スピノザの形而上学』(昭和堂、2009 年)、ドミニク・フォルシェー『年表で読む 哲学・思想小事典』(共訳、白水社、2001 年)がある。

[訳者略歴]
樋口善郎(ひぐち よしろう)
1991 年京都大学大学院博士後期課程単位取得退学、哲学専攻。大阪学院大学非常勤講師。主要論文に、「ヘーゲルと貧困問題」(関西哲学会年報『アルケー』第24 号、2016 年)、主要訳書に、ベルナール・ブルジョワ『ドイツ古典哲学』(共訳、白水社文庫クセジュ807 番、1998 年)がある。

〈目次〉

第一章 スピノザの生涯
  Ⅰ 事実関係
  Ⅱ スピノザの伝記の典拠
  Ⅲ 誕生地アムステルダム
  Ⅳ ユダヤ人とマラーノ
  Ⅴ スペインおよびポルトガルの遺産
  Ⅵ 体制と軋轢
  Ⅶ 教育・絶縁・環境
  Ⅷ コレギアント派とソッツィーニ派
  Ⅸ デカルト主義
  Ⅹ 神学と政治学
  ⅩⅠ 晩年
  ⅩⅡ スピノザの教養
  ⅩⅢ 熱狂と伝説

第二章 著作
  Ⅰ 『知性改善論』
  Ⅱ 『神、人間、および人間の幸福に関する短論文』
  Ⅲ 『デカルトの哲学原理』と『形而上学的思想』
  Ⅳ 『神学・政治論』
  Ⅴ 『エチカ』
  Ⅵ 『国家論』
  Ⅶ 『ヘブライ語文法綱要』
  Ⅷ 『書簡集』
  Ⅸ 真作でないテクスト、散逸したテクスト

第三章 主題と問題
  Ⅰ 人物
  Ⅱ 場所
  Ⅲ 原理
  Ⅳ 解釈上の争点
    (一)無神論
    (二)唯物論
    (三)決定論と自由意志
    (四)神秘主義

第四章 受容
  Ⅰ 『神学・政治論』への批判
  Ⅱ 実体の単一性
  Ⅲ スピノザの影響
  Ⅳ 汎神論とカバラ思想
  Ⅴ 新スピノザ主義
  Ⅵ 汎神論論争
  Ⅶ ドイツ的伝統
  Ⅷ 十九世紀フランス
  Ⅸ 文学者による読解
  Ⅹ 精神分析
  ⅩⅠ 十九世紀と二十世紀のユダヤ教
  ⅩⅡ 二十世紀文学

結び

日本語版のためのあとがき 暴露するものとしての日本

訳者あとがき(旧版)
訳者あとがき(新版)
参考文献③(訳者による)
参考文献②(原書による)
参考文献①(原注による)
人名索引

以上です。

2020年度の卒業式ならびに修了式が挙行されました

学部生の卒業式大学院生の修了式が、それぞれ、2021年3月18日木曜日と20日土曜日に執り行われました。

卒業生のみなさん、修了生のみなさん、まことにおめでとうございます。