お知らせ
哲学教室
知恵を探求するための開かれた場
「哲学」という日本語は、江戸幕府の開成所教授であり明治政府のもとでも活躍した西周(にし・あまね、1829~1897)が造語したものです。オランダに留学した西は、「希賢学」「希哲学」という試訳から、「哲学」という訳語を決定しました。西は、philosophyの語源であるギリシア語のphilosophiaの意味を、よく理解していたのでしょう。というのも、philosophiaは「知恵を愛し求める」ことを意味しているからです。ここから理解されるように哲学は西欧の伝統の中で育まれてきました。今日、情報化社会の中で膨大な知識が蓄積されている一方、知識の追求が、知恵の探求と切断されてしまっているようにも見えます。哲学は、そのような時代だからこそ、最も重要な学問だと言えるのではないでしょうか。龍谷大学の「哲学教室」は、「龍谷哲学会」が中心となって開催する講演会や、『龍谷哲学論集』の発刊などの活動を通じて、哲学という言葉の原義を大切にしつつ、学部の違いや、教員と学生などの立場の違いを越えて、万人に開かれた知恵の探求の場を創造することを目指しています。
龍谷哲学会・委員
哲学合同研究室
本学で哲学を学ぶ学生と院生のための研究室
哲学合同研究室(通称「合研」)は、本学で哲学を学ぶ大学院生と学部生が集まる交流の場です。
大宮学舎西黌三階に設置されています。ここでは様々な学生が、課程・学年・ゼミの垣根を越えて、「合同」で研究に励んだり、親睦を深めたりしています。合研の管理は大学院生が中心になって行っています。大学院生の在室中に、学部生が利用することも可能です。合研では、日ごろから、学生による自主的な読書会や、『龍谷哲学』の編集、ゼミ発表の準備など、様々な話し合いが行われています。
合研を訪れたことのない本学哲学専攻の学生は、ぜひ一度、足を運んでみてください。自分自身を高める有意義な時間を見つけることができるでしょう。
龍谷哲学会
哲学専攻の学生と教員のための学会
龍谷哲学会は、龍谷大学文学部哲学科哲学専攻の学部学生、大学院生、研究生、兼任教員、専任教員を正会員とし、哲学の研究と教育の発展を図ることを目的としています。
1976年に『龍谷哲学論集』を創刊し、2018年度には第32号を公刊しました。また、学生諸君が自主運営する学内交流誌『龍谷哲学』は、1969年、「新たな龍大像を求めて」と題した特別号を出したのを出発点としています。1970年に第1号を出版し、休刊した一時期もありましたが、2018年度には第44号を出しています。二冊の機関誌を出すことは大変ですが、学生諸君の自発性・内発性に期待を寄せることは、重要なことだと思っています。先達たちの初発の意志を汲み取って、それが受け継がれていくことを願ってやみません。
なお、『龍谷哲学』は、龍谷哲学会とは独立した運営と予算により、各ゼミで活用されることを目的としています。
龍谷哲学会・委員
哲学教室の教員の他に以下の先生方がおられます。
龍谷哲学会の活動
文学部のどの学科・専攻も、学科・専攻ごとに「学会」を設置し、通常は互いに連携のない各クラスの枠組みを取り払った学科・専攻全体としての研究・教育活動を展開しています。哲学専攻においては「龍谷哲学会」を設置し、科目・ゼミクラス・学年・学部生・大学院生・教員といった枠組みを取り払って、哲学専攻全体としての活動を行っています。
具体的には、以下の通りです。
- 定例研究会ないし読書会・勉強会---大宮学舎にある「哲学合同研究室」を気楽に訪問して、勉学上の疑問などを相談しましょう。大学院生が親切に対応してくれると思います。その合同研究室では定期的に研究会や読書会などが開かれています。関心のあるテーマを見つけた場合には積極的に参加することを勧めます。
- 講演会ないし臨時研究会---毎年、後期に、主として学外の著名な研究者を招いて講演会を開きます。場合によってはその後に、講演に関する討論の時間ももたれます。1回で完結した講演ですので、普段の連続講義では味わえない学問の雰囲気にひたって下さい。
龍谷哲学会規約
- 本会は龍谷哲学会と称する。
- 本会は哲学の研究と教育の発展を図ることを目的とする。
- 本会は右の目的達成のために次の事業を行う。
(1)講演会ならびに研究会を開く。
(2)会誌『龍谷哲学論集』を発行する。
(3)その他、会員の親睦交流のための行事を行う。 - 本会は龍谷大学文学部哲学科哲学専攻の学部学生、大学院生、科目担当の専任教員を正会員とする。それ以外の者が入会を希望する場合は委員会の審査承認を経て一般会員として処遇する。
- 本会の事業を遂行するために委員若干名をおく。
委員は龍谷大学文学部哲学専攻の専任教員および委員会の推薦した者に委嘱する。 - 会員は年会費を前納しなければならない。
年会費は、一般会員(教員含む)二千円、大学院生一千円、学部学生五百円とする。 - 正会員、一般会員ともに会誌の配布をうけ、本会開催の各種行事に出席し、発言する権利を有する。
- 本会は事務所を哲学合同研究室内におく。
- 本規約の改正は委員会の決議による。
- 以下の条項は、一般会員、兼任講師などにも適用する。三年連続で会費未納の場合は、督促状を発行し、さらにその後、半年経過するも、未納の場合は除籍とする。
― 本規約は2017年4月1日をもって施行する ―
発刊誌
教員・博士課程以上による『龍谷哲学論集』
『龍谷哲学論集』は、龍谷哲学会に所属する博士課程在籍者、同課程修了者、龍谷大学哲学専攻専任教員、および龍谷哲学会委員会の推薦を受けたの者の研究発表の場として、1976年に創刊されました。
- 投稿規定
- 本誌は、西洋哲学、倫理学、宗教哲学に関する研究論文を発表する。
- 投稿資格
- 本学大学院博士課程哲学専攻在籍者、同修了者、
本学哲学専攻専任教員、または委員会の推薦した者。
- 掲 載
- 龍谷哲学会委員会の審査により掲載論文を決定する。
- 原 稿
- 字数は20,000字(400字詰原稿用紙50枚相当)を標準とする。
- 提出締切
- 各年度の9月末日までに完成原稿として委員会に提出すること。
掲載論文等の著作権は執筆者に帰属するが、本学及び国立情報学研究所等が論文等を電子化により公開するものについては、複製権及び公衆送信権の行使を龍谷哲学会に委託するものとする。ただし、電子化による公開は執筆者の許諾を得たうえで行うものとする。
- 会 費
- 郵便振替口座「01020-3-8571」「龍谷哲学会」宛
「龍谷哲学論集」の編集に関する通信・寄贈図書・寄贈雑誌等は本会宛にお送り下さい。
〒600-8268
京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1 龍谷大学文学部 哲学合同研究室内 龍谷哲学会
学生による自主制作誌『龍谷哲学』
『龍谷哲学』は、学生による自主制作誌です。龍谷哲学会から独立した編集委員の下でつくられています(予算も編集も龍谷哲学会から独立しています)。『龍谷哲学』では、皆さんが投稿された原稿を掲載しています。この雑誌は、1年生から4年生までのゼミにおいて活用される目的でつくられています。哲学合同研究室の様子や、最優秀卒業論文、学生からの寄稿論文が掲載されます。
- 原 稿
- ①論文または論説 12,000字(400字詰原稿用紙30枚相当)以内
②小品(内容自由)4,000字(400字詰原稿用紙10枚相当)以内
原稿には必ず氏名、学部学年を明記し、また引用の参考文献も明示して下さい。
- 応募資格
- 龍谷大学文学部哲学科哲学専攻の学生であれば、どなたでもかまいません。
- 提出締切・
投稿方法 - 詳細は、哲学合同研究室にいる大学院生にお尋ね下さい。
〒600-8268
京都市下京区七条大宮 龍谷大学西黌内 哲学合同研究室『龍谷哲学』編集委員会
『龍谷哲学』編集委員募集のお知らせ『龍谷哲学』では、編集委員(学部生)を随時募集しています。私たちと一緒に、『龍谷哲学』を編集してみませんか?
書籍紹介
哲学ワールドの旅
- 著者
- 伊藤 邦武 (編著), 藤本 忠 (編著),
田中 龍山, 山口 雅広, 松田 克進, 紀平 知樹
- 出版年月日
- 2018/4/30
- 価格
- ¥ 2,500+税
考え、学ぶ、思考の世界
哲学って難しい?現代のあらゆる問題について考えるのに哲学必要不可欠な学問です。この本は、言葉を暗記するだけでなく、自分で、そして皆で考え、悩み、「哲学的な考え方」を身につけるための入門書。哲学者たちとともに、思考の世界を渡り歩いてみませんか。